第一章【隊長の、ヒミツ】

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 先程から名前が出てくる男、【志那(しな)】と呼ばれているのは、この鬼狩の支部司令だ。種族は鬼であり、年齢は千を軽く越える。  鬼と言うのは、昔からこの世界に住んでいた種族で、人型ではあるが独自の文化――東国文化と呼ばれている文化を持っている。  和名の人物はほとんどが東国出身であり、東国の中にも鬼と暮らす人間もいた。  そのため、この世界には和名の人間と洋名の人間がいる。  ピンポンパンポーンという聞き慣れたチャイムとともに、アナウンスが流れる。 【相模第三部隊隊長、相模第三部隊隊長、繰り返します相模第三部隊隊長、相模第三部隊隊長、至急支部司令室までお越しください。至急、支部司令室までお越しください。繰り返します――】 「うわー、アナウンスの娘キレてるなー」  そんなことを笑顔で言う相模に、櫻庭は「誰のせいだよ」と睨みつけた。
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