第一章【隊長の、ヒミツ】

9/24
前へ
/279ページ
次へ
 相模は鼻歌を歌いながら医務室を出て、司令室に向かうエレベーターに乗り、上へ向かう。  その様子を見送っていた櫻庭とユウイは同時に溜め息をつく。 「相模の奴は本当にサボり魔だな」  ファルスは窓から外を眺めながら、呆れたような低い声で呟いた。 「櫻庭の旦那も大変ですねぇ」  そう言ってケラケラと人をバカにしたように笑うのはクロード。櫻庭は額を右手で押さえながら俯く。 「でも、何で相模隊長って隊長になれたんですかね」  ユウイのその問いに、ファルスは呆れたように振り返り、クロードはクスクスと笑っていた。 「君は相模の隊にいながら、彼の実績を知らんのか」  ファルスは呆れ返り、溜め息混じりに声を吐き出す。
/279ページ

最初のコメントを投稿しよう!

200人が本棚に入れています
本棚に追加