第一章【隊長の、ヒミツ】

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 櫻庭とユウイは第三部隊作戦室に来ていた。他のメンバーもいるのだが、今日は殆どが出払っているようだ。  ホワイトボードの前の椅子に相模が笑顔で座って二人を見ている。それだけで櫻庭は全てを察したように口を開いた。 「悪鬼が出たのか」  その言葉に、相模は清々しい笑顔のまま肯定の意を示した。 「あぁ。司令から直接、俺の方に依頼が来た。どうやら他の部隊じゃダメらしい。この意味がわかるね? 櫻庭副隊長」  ユウイが首をかしげているのを見て、櫻庭が呆れたように言う。 「いいかメシアズ、この第三部隊は結構特殊でな。まぁ、隊長からして特殊なんだが。下級の悪鬼と上級の悪鬼、どちらも討伐するんだ」  ユウイの首はかしげられたまま、戻らない。 「他の部隊は違うんですか?」  その言葉に、相模が頷いた。 「そうだね。第一第二は下級悪鬼の討伐部隊だ。上級悪鬼の討伐には少しだけコツがあってね……ま、君は新入りだし、実戦で教えるよ、櫻庭が」  櫻庭がそれを聞き、だろうと思った、という表情をする。
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