第一章【隊長の、ヒミツ】

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 相模は、作戦室の白い床に複雑にいりくんだ魔法陣を青いチョークで描く。  それは完成とともに浮き上がり、展開した。ユウイは驚いた表情をして、少しだけ声をあげる。 「二人共、魔法陣の中に入って」  相模に言われるがまま、ユウイと櫻庭は魔法陣の中に入る。 「行き先は【サイフォース】。転移魔法、発動せよ」  いつもとは違う、冷静な声を発する相模に、ユウイは黙って彼を見つめていた。  ユウイの視線に気付いた相模は、それをかき消すようにニコリと笑う。  青い柔らかい光に包まれ、第三部隊作戦室から、三人は消える。  後に残ったのは青いチョークで描かれた魔法陣のみだった。
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