第一章【隊長の、ヒミツ】

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「ごめんね。でも、騙される方が悪いんだよ? お姉ちゃん?」  少年がそう呟くと、霧が晴れ、目の前に崖が現れる。 「もう聞こえないかな……まぁいいや。君達は僕の遊び場に入ってきたんだ……」  少年はそう呟き、ユウイを崖の下に放り投げる。  ユウイは抵抗できぬまま、崖の下へ落ちていく。  その姿が少年の視界から消えた瞬間、少年の頭が吹き飛んだ。同時に凄まじい腐臭とともに、少年の体から漆黒の液体が溢れ出す。 「櫻庭、ユウイちゃん頼んだよ」  その声に呼応するように、崖の下から櫻庭がユウイを抱えて風を纏い浮上した。  その黒い服はユウイの血により赤黒く染まっている。  そして、先程少年の頭を吹き飛ばしたモノの正体――。スナイパーライフルを担いだ相模が首のない少年の前に現れる。
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