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その夜。医務室のベッドの上で、ユウイは目を覚ます。上半身を起き上がらせ、イマイチ状況の把握ができていないかのようにキョロキョロとあたりを見回した。
「あれ……医務室? そうだ、私、任務中に……」
自分の左腕には、修理された腕時計がはめられている。
それをぼーっと眺めていると、靴が床を踏み鳴らすコツコツ、という音が近づいてきた。
その気配はベッドの前、仕切っているカーテンを挟んで止まる。
「起きたか、メシアズ」
その声は、明らかに櫻庭のもので。ユウイはまた怒鳴られるんだろうな、と思いつつ返事をする。
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