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「そう、ですか。しかし、政宗様がご無事で何よりです」
俺としては小十郎がこっちに来たことは嬉しいが、綱元には負担かけることになっちまったな。
なるべく早く戻れるといいが。
「それに、凪とも会えたようで」
「あぁ」
凪と会えた。
それが唯一の救いだな。
ただ、遠くない未来に俺はもといた世界に戻る。
そんな確信めいた思いがある。
だが、また凪と離れるなんて考えたくねぇ。
例え住む世界が違うとしても、出会ってかけがえのない存在になっちまった。
神だか仏だかわからねぇが、これで凪を不幸にするなら絶対許さねぇ。
「「!」」
その時、バンッとう音と共に空が急に明るくなった。
こいつが、凪の言ってた花火か?
「政宗様!敵襲ですか!?」
「落ち着け小十郎、こいつは祭の出し物だ。花火っつうらしい」
「はぁ……そう、ですか」
次々に上がる色鮮やかな花火。
こいつは風流だ。
「政宗ー!小十郎ー!」
そこに真田を連れた凪と夏樹が戻って来た。
当初の目的である花火を見て、沢山の土産を持って俺達は家に帰った。
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