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「うぅん」
寝ぼけ眼で耳元で鳴っている携帯に手を伸ばす。
聞きなれた好きな曲。
この音で目覚めて、カーテンの隙間から漏れる光に、見慣れた部屋を見る度に思う。
ここが"今"なんだって。
「ハァ」
自然と溜め息が零れてしまった。
怠い体を起こしてカーテンを開けると部屋が一気に明るくなった。
空には青空が広がっている。
空はいつだって変わらない。
目を覚ましたら戦国時代でした、なんてありえない出来事から約二年。
私はまた自分が生まれ育った現代へと戻ってきた。
二年間の間に出来た友、仲間、大切な人達。
ずっと戦国時代で生きていくと覚悟を決めた。
だから人を好きになった。
なのに……。
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