Now

2/25
前へ
/546ページ
次へ
「うぅん」 寝ぼけ眼で耳元で鳴っている携帯に手を伸ばす。 聞きなれた好きな曲。 この音で目覚めて、カーテンの隙間から漏れる光に、見慣れた部屋を見る度に思う。 ここが"今"なんだって。 「ハァ」 自然と溜め息が零れてしまった。 怠い体を起こしてカーテンを開けると部屋が一気に明るくなった。 空には青空が広がっている。 空はいつだって変わらない。 目を覚ましたら戦国時代でした、なんてありえない出来事から約二年。 私はまた自分が生まれ育った現代へと戻ってきた。 二年間の間に出来た友、仲間、大切な人達。 ずっと戦国時代で生きていくと覚悟を決めた。 だから人を好きになった。 なのに……。
/546ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1705人が本棚に入れています
本棚に追加