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「あー、やべぇ」
徠絆は徹夜明けで怠い体を引きずりながら、小走りに家へと急いでいた。
昨晩は飲み仲間とカラオケに行き、オールで飲んで歌ってと騒いでいた。
本当ならば、遅くても夜中の一時二時には帰る予定だったのだが、ついつい長居してしまった。
店を出たのが、朝の四時半。
朝稽古が始まるのが五時半。
つまり、あと一時間で稽古が始まってしまうのだ。
前回、同じような理由で朝稽古に遅刻した時、約束を守れないなら夜遊び禁止だと志絆に言われ、三ヶ月も真面目な生活をしていた。
(流石にまた、夜遊び禁止令はねぇよなぁ)
雨が降る中、徠絆はパーカーのフードをかぶり更に足を速めたその時。
浴衣姿で雨に濡れる男が目に入った。
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