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「Honey、徠絆達は仕事に行ったのか?」
私がリビングに戻ったことに気付いた政宗が近付いてくる。
「あぁ、うん……私、着替えてくる」
政宗から逃げるような形でリビングを出て、階段を駆け上がる。
ドキンドキンと脈打つ心臓。
これは、やばい。
さっきまでは兄達がいたからなんとかなったが、今は二人っきりだ。
もう二度と会えないと、永遠の別れを覚悟していたのに、こんな不意打ちのような形で再会して、気持ちの動揺が隠せない。
また会えたことは嬉しい、嬉しすぎる。
でも、一年振りということもあってか、恥ずかしさや照れが半端ない。
心臓、持つかな。
ふぅと一呼吸置いてから、着替えようと袴に紐に手をかけた時。
「ここが、Honeyの部屋か」
「なっ」
ガチャっと普通にドアを開けて政宗が入って来た。
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