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父である 田中 和雄は 銀行か何か、 よくはわからないが カネに関わる仕事をしていたようだ。 早朝から深夜までおらず、 土日に家にいる事も 極めてまれであった。 顔を合わす事や、 たまの外出を共にする事は あるにはあったのだが、 どんな男だったのかは よくは解らず仕舞だった。 むろん、わたしにとって 父親とはそんな存在であり、 特に疑問も抱かず、 興味もなかったが。
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