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――それから10年
ある雨が強い日
「えっ…………はい、今すぐに行きます!! 」
彼女は震える手で何とか受話器を元の場所に戻す。
(どうしよう……どうしようっ!! と、とにかく病院に! )
彼女はさっから震える体を必死に押さえながら必要な荷物を無造作に持って
駐車場に傘もささずに走っていき
自分の愛車に乗り込み猛スピードで走り出す
(お願いっ……どうか、どうか生きていて静さん! )
雨のせいで余り良くない視界の中必死にハンドルを切りながら、彼女は神にすがるように祈る。
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