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「ふぅ、俺の勝ちだな?」
そう言って、少年は手を差し伸べる。
「そう、だね。」
疲労からか、差し伸べられた手を掴みつつ、おぼつかない足取りで子はたった。
「やっぱり強いよ、ロイ。」
「気だけなら、な。魔法を使えばカイが強いだろ?」
子-ー【カイ】と呼ばれた小さな少年。
そのカイに【ロイ】と呼ばれた少年は双子の孤児だ。
今は、アルカの軍事学校の寮に住んでいる。
二人は来月から、十五になる。つまり戦争に参加することが義務付けられる年になる。
物心ついた頃より戦闘訓練をしていたカイとロイには、戦争は遊び場に近い存在だ。
それを楽しむ力も、二人にはあった。ただ純粋に競い合った結果、アルカの天童と呼ばれるまでに成長していた。
カイには魔法の
ロイには気の
それぞれの天才と呼ばれた双子が、孤児であると知るものは少ない。
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