天才

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「お前らよく頑張った!訓練はこれにて全て終了する。」 渋い声色の男性。 カイとロイの専門教師をつとめていて、アルカの軍部司令官でもある。 「ガルシア先生、一回ぐらい手合わせしません?闘ったことないし、これで最後の授業でしょう?」 そう提案したのはロイだ。 精神的にしっかりしているのはロイで、初対面等の話しにくい相手は、大抵ロイが相手をする。 「止めとけ止めとけ。勝てるはず無いだろ!?」 大声で笑い出すガルシアは、挑発的に二人を馬鹿にする。 ガルシアが正直に【ダメ】だと言わないときには 否定はしない、お前らの出方次第だ の意が込められていることを、二人は知っている。そして、一人で闘えば適当にあしらわれることも知っている。 殺すつもりでやろうとも、訓練での模擬戦闘ではあからさまに集中していなかった。それでも、傷を付けることはかなわなかった。 それは、去年の話。 だからこそ、今二人は勝負を懇願した。
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