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「開け!」
ロイに槍が直撃する直前に、それは分散した。
一瞬では数え切れない数になった雷の槍は、全方位からガルシアを襲う。
ちなみにこの魔法は簡単な部類に入るものの、分散させ更にそれを操るのは軍隊の上級者並みの実力が必要である。
後ろまで囲んだそれは、最近完全に操れるようになった。
よって、ガルシアは不意をつかれている。
前はロイ、他はカイの魔法がある。
二人がかりの上、息も合ってそれぞれ実力もある。
そんな状況を作り出せたのも、互いが互いに信じていなければ不可能なことだ。
ロイが足留めをしていたからカイは詠唱に集中出来た。
カイが完璧に操れるからロイは攻撃を続けることが出来た。
完璧すぎるその状況。
「いいねぇ。凄い成長したよ。良い線行ってるよ。これは防げない。
相手が俺じゃなけりゃな。」
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