天才

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カイを後ろにロイは一回剣を振り抜いた。 例によってギリギリでよけられる。 そして、そこでロイは一歩退いた。 異様すぎる行動に、ガルシアは一つの疑念を持った。 (周囲に魔力がある…魔法か?だったらカイが…) ロイが退いたことにより、ロイから魔法を使えるカイに狙いが切り替わった。 しかし、切り替わるより先に先ほど雷の槍を打ち消した周囲に、閃光が走る。 カイの【ボルトランス】には分散の能力がある。 複数になったのも、分散したから。 そして、打ち消される前にカイは更にそれぞれを分散させていた。 そこまで小さいものを操るのは不可能。魔力を再び流すのも、時間がかかった。 逆に言えば、そこにあるのはただのちり。 しかし、今魔力が流し終わる。小声での、追加詠唱で。 空気の全てが急に電撃に変わる。全ては、【クレイ】が発現した時に考えついた作戦だった。
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