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「そこまで!勝負あり!」
高らかに宣言するあごひげを生やした三十ぐらいの男性。
その目の前には、模造刀の切っ先を喉元に突きつけられている子供がいた。
子供は、アルカ国の紋章が背中に付いた黒の制服を着ている。黒髪で、とても普通な顔つきの何処にでも居そうな子供。
その子に突きつけているのは、瓜二つの顔をした少年。
しかし、その少年の髪は白くその身を包む制服もまた白かった。
目は黒目だが、突き刺すようなめつきは、相手を殺す気が読み取れる感じがした。
だが、男性の声が聞こえたらその殺気は嘘のように消え去った。
めつきも、相手に恐怖ではなく安心を与える頼りになる眼に変わった。
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