とある定食屋でのお子様ランチ事情

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「申し訳ございませんが、当店では10歳未満もしくは65歳以上のお客様に限りお子様ランチをご提供させていただいております」 「…………」 …………ご時世か……そう俺は心の中でつぶやいた。 「……どうしてもか?」 「規則ですので」 俺が念を押して尋ねると、店員は一切接客スマイルを崩さずきっぱり答えた。 正直俺に対してここまで毅然とした態度をとれる店員も珍しいのだが、今はまあどうでもいいことだろう。 「…………」 無言のまま、俺はすぐそばにいる者たちのほうへと視線を移しす。 「ぇと……あ~、うー……」 「ぷっくくくくく……」 初めに目に入ってくるのは手をつなぐ少年とシスター。 言わずとも明らかだろうが、どうしたらよいかとオドオドしているのがエルーで、必死に俺から顔をそらして笑いをこらえているのがキリだ。 ……このツンツン……後で覚えていろよ……。 そして俺はさらに首を動か…… 「だぁっはははははは!!」 ……さずとも耳に入ってきた。 スイの奴は人目もはばからず大爆笑していた。 「…………」 旅の同行者たちの反応も確認し終え、俺はまた無言で店員のほうへ視線を戻した。 「ホ…「ダメです」 ……まだ1文字目だというのに……しかもやっぱり笑顔が崩れていないというのがまた恐ろしい……。 なんだか久々にビビってしまった。 ちなみに隣のスイの笑い声はさらに大きさを増していた。
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