とある定食屋でのお子様ランチ事情

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「…………」 正直困ったことになってしまった……。 最近お子様ランチに年齢制限をかける店が増えていることは知っていたが、それでもこれまでそんな店には出会ったことがなかったというのに……。 注文をした後にひどく困惑した様子で顔をひきつらせ、しばらく何か言いたそうであったが、「何か?」と俺が尋ねると「い、いえ! すぐにお持ちいたします!」と言って逃げるように急いで厨房へと店員が走っていくことは多々あったが、年齢制限のある店は初めてだ。 「……ふむ」 どうしたものかと俺は思案顔になる。 ちなみにキリたちのほうはすでにそれぞれ自分の分は注文し終えていて、後は俺の注文を待つのみとなっている。 「…………」 お子様ランチ――可愛らしい大きさのハンバーグと海老フライにちょうど一口サイズのナポリタン。極めつけはちょこんと小さな山のような形に整えられたチキンライスとその上に掲げられている旗――この一品をあきらめるのは非常に惜しいのだが、やはり『大人』である俺がいつまでも駄々をこねてこいつらを待たせるのは良くないことだろう。 ……仕方がない。今回はあきらめてこのハンバーグランチというものを頼むとしよう。 「……ではこのハンバー……」 お子様ランチをあきらめきれない気もちをぐっとこらえ、俺は店員へ注文を告げようとした時だった――
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