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「うんそうだ! 絶対そうに違いない! 俺のセンスが間違っているはずが無い!
そうと決まれば…おい、スイ! ちょっとこっちに来てくれ!」
「んー…どうしたキリ?」
膳は急げと早速スイさんを呼び寄せるキリさん。
…絶対みんな私と同じ意見だと思う。
「なぁちょっとこれ見…「うわ何だよこの不細工なアップリケ…」…ああやっぱりいいや…」
「うん? そうか?」と言って去っていくスイさんの横で凹んでいるキリさん。
ちょっと可哀そうですね…まあ同情する気は一切ありませんが。
「いや、まだだ! まだファランが…」
「……」
キリさんがそう言いかけたところ、いつのまにかファランさんは私たちの後ろに立ち、キリさん作のアップリケを見下ろしていた。
「……………………フッ」
そして軽く鼻で笑ってから去っていった。
「あんのバッテンがぁぁあぁぁあぁああ!!」
私の横には叫びあげながらうなだれるキリさん。
…ちょっとだけなら同情してもいいかもしれません。
「違う…俺のセンスが間違ってるなんてそんなはずはない……」
うなだれながらも未だキリさんは言い続けていた。
…というかここまで全否定されといて未だに自分は間違っていないと思えるなんてある意味凄いです。
「……そうか!」
そしてまた何かキリさんは閃く。
…まあろくなもんじゃないでしょうけど。
「コンセプトが悪いんだぁぁあぁぁ!」
…どうでもいいから早く直して欲しいなぁ。
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