339人が本棚に入れています
本棚に追加
/117ページ
次の日の放課後、気は進まなかったが中庭へ行った。
すると、真ん中の大きい木の下でカチカチになっている人がいた。
その姿を見ると少し笑えた。
「三野…千晴君…?」
「あ!えと…」
俺が声をかけると一瞬驚いた顔をして、言葉に詰まった。
「あ…俺、笑…さんが…えっと…付き合って下さい!!」
何て言うのかと思ったら、出てきた言葉は日本語になっていなかった。
でも、なぜか男に告白をされたのに嫌な気持ちではなかったし、必死さが伝わってきて心が安らいだ。
「ははっ、良いよ。」
気付けばOKしていた。
今までこんな事はなかった。
男に告白されれば気持ち悪かったし、心が安らいだり笑ったりする事なんて絶対になかった。
「本当ですか?!えと…じゃあ、えっと…」
でも、三野千晴を見てると自然と笑いがこぼれる。
「アドレス、だろ??」
「あ、はい!」
俺は携帯をポケットから出し、赤外線で送ろうとしたけど三野千晴がなかなか携帯を出さない。
どうしたんだろう、と不思議に思っていると…
「携帯…教室です……」
しょぼくれた顔で俯く三野千晴は本当に面白い。
最初のコメントを投稿しよう!