プロローグ

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 レンリは、とある大貴族の夫婦の間に生まれた。  大勢の人々から望まれて生まれた――はずだった。  もちろん、レンリは愛されて育った子供だ。――五歳の誕生日までは。  レンリの五歳の誕生日――つまり、魔力を測定する日、レンリは大勢の人々から嫌われることとなる。理由は、魔力が僅かもないことだった。  大貴族の跡取りとしての期待を持たれた分、皆の失望は大きい。  この世界において、魔力を持たない人間は、ゴミ同然に扱われる。あれほどレンリを愛していた両親でさえも、いつの間にか、レンリを失敗作として扱うようになっていた。
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