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暗く冷たい部屋。 久しぶりに戻った自分の部屋は、相変わらずの冷たさで俺を迎えた。 アイツがいなくなってからもう1年以上経つ。 あれから俺は家に帰る事もあまりしなかった。 夏だと言うのにうすら寒い部屋には帰りたくなかったからだ。 とにかく手当たり次第女に声をかけ一晩過ごし、次の日にはまた違う女のところに転がり込んだ。 しかし身体の悪寒は消える事はない。 どんな温もりも俺の冷えきった身体を温める事など出来なかった。 胸の風穴には、いつも冷たい風が吹き抜けていた。 .
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