ある少年

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少女が連れて行かれたのをただ黙って見ていたが、ハッと我に返り走り出した。 何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故。 気が付くとそこは小さな丘の上。 少女の横顔が忘れられない。 しかし彼にはどうすることも出来ない虚しさだけが残る。 『どうか彼女に幸せを。』 真っ青な天に向かって祈った少年は、持っていた食べ物を全て丘の上に置いてその場所を離れた。 生きるのに必要な少年の食料は、神への捧げ物となった。 少女の為に………。
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