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少年が少女の為に祈っていたことなど、知るはずがない。 少女は拷問に堪えきった。 痛いという感情さえも少女から無くしていた。 ただ冷たい牢獄の様な部屋には、綺麗だった体ではなく目を覆いたくなるくらいに傷ついた体が9つ横たわっていた。 その中に少女の姿はない。 少女は部屋に唯一ある小さな小さな小窓の前に立っている。 声を掛ける者はいない。 月明かりに照らされた姿は、この期に及んでも神に祈りを捧げていた。
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