運命の日

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けれど、少女には痣もホクロも無かった。 男達は少女にこう言った。 『この針で皮膚を刺すが、血が出れば魔女の子だ。』 勿論刺す場所や深さによっては血は出ないが、もし血が出なくてもそれは『人間じゃない。』と判断が下る。 本当によく出来た証拠作り。 少女は何も言わず腕を差し出した。 当たり前の様に刺された場所からは血が滲む。 それが少女が魔女である証拠として、報告された。 少女は腕の血を見て、初めて生きたいと願った。
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