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その②・道
高校までは歩いて十五分ほど、自転車で八分ほど。
一は歩いて学校に行った。
『あー、にしても-』
一は朝を思い返した。
『あのババアの飯はいつまでたっても進歩しねぇな。あのジジイは新聞越しにエラソーに椅子に踏ん反り返って上からものを言うし、ヤローはいつも飯食うときクチャクチャうるせーし、家ん中はつまんねーなぁホントによ。それに-』
「あら!一ちゃん元気?」
一の思い返しを止めたのは通学路にたまにいる、犬を散歩さしているおばあさんだ。
「あ・・ハイ。元気です」
一は内心、このおばあさんを嫌っていた。
『たかだか犬の散歩に厚化粧しやがって・・・くせーんだよなぁ。ホント他人のメーワク考えない人間はうざいな』
一は適当におばあさんに別れをつげ再び通学路を歩いた。
『ついたか・・またつまらない時間がはじまるな』
一は校門を横目で睨みながら通った。
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