moment

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血が出る程に握り締めて。 憤りを拳で表して。 睨み、ただひたすらに睨み。 「てめぇ……」 不意に荒くなる、僕の口調。 「いい加減にしろッ!!」 何かがプツリと断ち切れたのが、自分でもよく分かる。 「鬼が……道徳も愛情も、カケラ程すらねぇな」 だが拳銃は、相変わらず少女へとその不気味な口を開ける。 下手に手を出せない。 悔しい。 歯痒い。 無力な自分などいらない。 「畜生……」 そう、いらない。 虚しい。
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