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ビクッ
少女は痙攣するかのように大きく跳ね、直後には、
ガタガタガタガタ。
尋常じゃ無い震え。
ガクガクガクガク。
ペタン、と力無く座り込む。
「い……や……だ…………」
一体どうすればここまで人間は怯えられる?
トラウマなんてモノじゃなく、もっと凄まじい何か。
フラッシュバック、か……。
男はケースから一本取り出し、ライターで火を着けて口にくわえた。
フーッ、と白い煙を吐き、
「お嬢ちゃん、君が悪いんだよ?」
と、優しく。
冷酷に。
告げた。
「嫌ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ――――!!!!」
木霊するかのような咆哮。
恐怖に囚われ、支配され。
過去の痛みに重ね合わせて。
少女は叫んだ。
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