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僕はこんな状況は知らない。
何故?
どうして?
こんな場所に?
こんな状況に陥る可能性? 提示も、示唆も、勿論された覚えなどない。
整理出来ずにいると――再び男は言う。
「おいてめぇ、聞いてんのかよ? この子がどうなっても良いのか?」
この子?
僕は前に向き直った。
目に映ったのは
「……ッ!!」
少女。
黒く艶やかなセミロングの髪に、細い腕、細い体。
白い、純白のワンピースを着た、幼い女の子。
つまりは人質。
最低な野郎め。
言いようの無い憤りを感じた。
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