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その時、僕の中で、正義がエゴイズムを上回った。
許せない。
「ふざけるな……」
「あぁ? てめぇには関係無いだろうが」
「ふざけるなッ!!」
「……ッ」
男が少し怯んだ。
僕は前に歩き出しながら、続けた。
「お前にとっては『ちょっと服脱がして乱暴した』だけかもしれない……でもな。その子にとっては、一生消えない傷痕になるんだよ。分かってんのか? それをお前如きの欲望の為に穢して、許されるとでも……」
「おぉっと、そこまでだ。これ以上近付くな。てめぇが死ぬことになるぞ」
僕は立ち止まった。
冷静を取り戻していくのを感じる。
……死にたくない。
揺らめく恐怖。
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