ta-dah! ~披露~

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 壱成が招いた50名程のゲスト一人ひとり丁寧に対応して、全てを送り出した頃には、既に23時を過ぎていた。 スポットライト以外の明かりを全て落とし、暗く静まり返るホールの余韻を、ステージの際に腰掛けてサトリと壱成が楽しんでいたら。 バーンと音を立てて観音開きのドアを身体で押し開けたアサキが、 両手に抱えた物をドカドカとステージに置いて、 「初日の成功をお祝いしよっ!」 バスケット状のワインクーラーからシャンパンを取り出すと、トーションで丁寧に水滴を拭ってから得意げに二人にラベルを向けた。 「じゃーん!ギィ・シャルボ ペルレのスペシャルミレジウムです!」 おお…と壱成の拍手の音だけ響く。 サトリは何のことだかさっぱりで。 「まあ…小野ちゃんにはこれから良さを勉強してもらおう」 「別に美味ければ何でもいいだろ」 「アハハ。そのとおり。正しい正しい」 アサキがコルクを抜いて、三つのフルールに注いだら。 「カルナバル・パンドラ・トキオに」 グラスを軽い音で重ねて、それぞれの早さで飲み干す。 「――アリガトなニノ。もう、何からお礼言ったらいいのか解んないや…」 「ニノってこういうサプライズ多いよね」 何時の間に星景写真のことあんなに詳しくなっちゃってたの? 「アイダさんね、シトリー様に知らないことなんかないの!それよりさあ。小野ちゃん明日からまさか予定なんてないよね?」 「失礼だな…。って言っても、確かに仕事は無いけどさ」 と苦笑いするサトリ。 2週間くらい家に居なくても、大丈夫だね。 パスポートと持てるだけのカメラの機材準備したら早速撮りに行って貰うから。 「え?今から?急だなぁ…」 2年くらい前にハワイでキラウエア火山の星景写真を撮りに行ったのが海外は最後だったか…。今は海外に行ける資金もない。 「そ。今から。アイダさんもどう?」 「ええ?俺オシゴト予定詰まってるから飛行機じゃ行けないよぉ!」 「解った解った。じゃ。向こうで召喚してあげるからさ」 「絶対だよニノ?約束だよ?」 「ハイハイ」 「召喚?」 「ハイハイ。ソレも向こうで見れば直ぐわかる事だから」 ショーが終わってからも終始壱成のペースで進んで。  午前2時。 「コレは都市伝説じゃなかったんだ…」  羽田空港の滑走路に立ったサトリは、目の前のプライベートジェットを見上げた。
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