1784人が本棚に入れています
本棚に追加
/1663ページ
苦笑いするルンに。
「じゃあさ。今晩のテーマは、ルンがどうしてニノのこと大ッ嫌いなのかを朝まで徹底検証」
「――今日はオマエ。帰れ」
明らかに不機嫌な声色を聞いて。
「ゴメン。冗談だよ。でも――やっぱりニノが心配だからさ。此処で降りるから、停めて?」
「――何処行くんだよ?」
「カルナバルパンドラ」
悪の巣窟に子羊を放り込めというのか。
「……送ってやる」
「有難う」
気がつけば乗せられていた感が否めないが。
まだ力を使いきれないサトリを一人にする訳にはいかない。
K区に向かっていた車を、ウインカーを出して方向転換すると。
ルンはM区のカルナバルパンドラに向けて走らせ始めた。
(第4章 了)
最初のコメントを投稿しよう!