第1章

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そろそろ行かないと、という健人さんの言葉で喫茶店を出た。 「なんか今日はすみませんでした。お仕事中だったのに…。」 「いいえ。今日はとってもいい日になりました。またお会いしたいですね。よろしければ、僕がバイトしてる店にも寄ってください。花屋ですけど(笑)。」 「はい、わかりました(笑)。」 それじゃ、と言って別れようとすると、健人さんが小声で話しかけてきた。 「たぶん…勘違いじゃないと思いますけど…。」 「はい?」 「兄と…同じですか?」 それは、男を愛する部類なのかと聞いていた。 別に、惚けてしまえばそれで済む話なのだけど、何故か… 「たまたま…そうなっただけです。」 と言ってしまった。
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