第1章

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「兄も…そうでした。」 「えっ?」 「普通に女の子を好きになったこともあったんです。振られましたけどね。」 そう言って健人さんは遠い目をした。 「いつも傍にいてくれたのが…彼でした。ずっと親友として傍にいたんです。いつから恋人になったかは知りませんけどね。」 「そうだったんですか…。でも、なんで気付いたんですか?僕のこと…。」 「不自然ですよ。男同士で夜景を見るためにわざわざ夜の公園に行くなんて…。夜景を見るなら、彼女でしょ?(笑)」 「ああ…そうですよね…。ばれちゃってたのか。誤魔化せたと思ったのに…。」 「僕は兄をみてたんですよ?分かりますよ。それじゃ、本当に時間なので失礼します。」 「あっ、はい。それじゃ、また。」 健人さんは会釈をして花屋さんへ戻っていった。
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