第1章

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俺は幻を見てるのかな? この間、シゲと二人で…って言ってもシゲは見えないんだけど、あの公園にいた人が夜空に昇っていくのを見送ったんだから…。 なのに、なんでここにいるんだ? 「あの…僕に何か…。」 「えっ?いや…あの…。あの……僕…見たこと…あり…ませんよね。失礼しました。」 訳の分からないことを言ってしまって、恥ずかしくなり、その場を立ち去ろうとした。 すると、 「知ってますよ。」 と、その人は言った。 「え?…あの…僕を知ってるんですか?」 って言ったら、近づいてきて、耳元で 「テゴシさんでしょ?よくテレビで拝見してます。」 と、小声で言った。 “ああ…。そういう意味か…。” 「そうなんですけど…。そうじゃないんです。」 ああ!通じないじゃん!これじゃ! 「あの…おっしゃってる意味がわかりませんけど?」 「…ですよね。」
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