第1章

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それまでにあったことを…でも、シゲと俺との関係はもちろん内緒で、すごく仲がいいっていうことにして誤魔化して話を進めた。 「で、この前、夜空に昇っていくのを見送ったんです。だから…さっき花屋さんで見たときは、ものすごくビックリして…。すみませんでした。訳のわからないこと言って…。この話…信じてもらえるとは思ってませんけど…でも事実です。」 「そんなことがあったんですか…。あっ!僕の名前、まだ言ってませんでしたね。皇(すめらぎ)健人って言います。」 「健人さん。」 「はい。…手越さんの話…信じますよ。」 「ホントですか?」 「はい。だって…兄は…ついこの前、息をひきとったんですから。たぶん…ちょうど、そのときだと思います。兄が亡くなったのは…。」 「えっ?嘘?」
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