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「本当です。何ヶ月にも渡ってずっと植物状態でしたから…。あなたのお話にあったとおり、兄は自殺をしたんです。一応、命は取り止めましたから未遂に終ったんですが、自発呼吸はできないし…生きているとはとても言い難いものでした。」
「ごめんなさい。なんか…勝手に…亡くなったものだと思ってました。」
「いいえ、大丈夫です。兄は…ずっと気になっていたのかもしれません、あの公園が…。いろんな思いが詰まった公園でしたから。」
「昼間は、あの公園、坂の下にある団地の子供たちが遊んでるんですよね。でも、夜になると誰もいなくなる。そこで会っていたんですね?」
「ええ…。なぜか気に入ってあの公園に二人で出かけてました。『また行くの?』って、親に聞こえないように冷やかして…。兄は嬉しそうに『そうだよ。』って…。なのに…あんなことになって…。」
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