親睦会

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携帯で忙しく連絡を取り合っているゆまに同じく携帯で自分の親衛隊に連絡をとっている雷斗。 一方俺らは宇佐美先輩に会った時の段取りを相談していた。 「陸、いい?俺がまず宇佐美先輩をナンパするチャラい男を演じるから、迷惑がって困ってる宇佐美先輩を陸が助けるんだ。分かった?」 「ちょ、待て!芽伊がチャラ男を演じるのかっ?つかナンパって…」 「そうだよー?まあ、お互い頑張ろうね」 ふんわりと微笑む芽伊を見て、チャラ男なんか出来るのかと不安になる陸だがせっかく考えてくれたんだからと思い直し頷いた。 「分かった。…ありがとな」 「ふえ?!ううんっ。俺が勝手にやってることだし!陸こそ迷惑じゃない?」 「いや…嬉しい!俺、芽伊のこと好きだー!」 「えへへー」 抱き着ことした陸だったけどゆまと雷斗に阻止されていた。 むーなんでだろう。 不思議に思っていると、ゆまが電話を切って俺に視線を移した。 「芽伊様。宇佐美先輩が見つかりました」 「ほんとっ?」 わあー早ーい! 雷斗も電話を切って、くしゃりと俺の頭を撫でながら話しだした。 つか雷斗の方が背低いのに頭撫でるとかなんか可愛いなーなんて思ったのは秘密。 「俺らんとこの隊員が宇佐美先輩が今いる所から離れないよう見張っててくれるらしい」 「二人共ありがとうっ」 「ありがとな!」 「いいえ。芽伊様の為ですから。さあ行きましょう」 「うん!」 俺は一回だけ深呼吸をして宇佐美先輩のもとへと歩きだした。
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