王子様は狼でした

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「離れろ」 雷斗が強い力で俺らを離す。 「ご、ごめん。すぐご飯作るから待っててな?」 少し赤くなった顔を隠すように台所に立つと、陸が付いてきた。 今の陸はもちろん変装中だ。 「芽伊、なんか手伝うよ!」 「ありがとう、陸っ」 しかし… 予想以上に陸は不器用だった。 「り、陸。もう終わりそうだからリビングで待っててくれてーー「痛っ!」 「陸?!大丈夫?!」 陸が指を切ってしまった。あんまり血は出てないみたい。 だけど消毒してあげようと思わず、陸の指をペロリと舐めて、少しくわえた。 「ー!?め、芽伊…っ」 「んぁ…?」 チュっと軽いリップ音をして離した指。 顔を上げれば陸は… 欲情したような目で俺を見ていた。
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