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入学式の南桜高校は、花百合部によって飾られ、とても綺麗だった。恐らく、新一年生にくばられたコサージュも花百合部の作ったものであろう。
高校でまた会った母親も満足していた。母親は入学前からずっと子供のように梨香の新しい制服を見ながら羨ましがっていた。
「梨香…私の代わりに楽しみなさいよ」
いつもは冷静な母親が口を尖らせ拗ねたような口調で言う。
「わかってるって!楽しみます」
「うん。じゃあ、わたしは帰るわ。まだ仕事あるから」
仕事を理由に母親は車で帰ってしまった。梨香は実夏を見つけ花百合部の店へ行った。
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