一日月

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「また 女の子が いなくなったらしいよ」 村では 少女が1人 いなくなった話で 持ちきりだった。 村はずれに建つ この家でも その話題にふれていた。 「ヒチョル姉さん、聞いた? ジェシカが いなくなった話…」 針仕事をしている 長女ヒチョルに 二女のソンミンが 心配そうな顔で 話し掛けた。 「痛いっ!!…えっ!? ジェシカが?」 針を刺してしまった指から 赤い血が 滲み出る。 「大丈夫? ヒチョル姉さん…」 三女の リョウクが 慌てて 絆創膏を 持って来た。 「ありがとう、リョウク。…でも、ジェシカが いなくなったなんて…」 ヒチョルの言葉に ソンミンとリョウクも 不安な顔で 頷いた。 .
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