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リビングには グラスに 真っ赤な血を 注いで 飲もうとしている イトゥクがいた。
「いつまで そんなの飲んでるんだよ…。乙女の血の方が 何倍も美味いのに。」
はぁーと 溜め息をついて ソファーに座りながら カンインは言った。
「…俺は 牛の血で 十分だよ。」
イトゥクは そう言って 小さく微笑んだ。
「そんな事 言ってる場合じゃないだろっ!! 次の満月までには 乙女の血を飲まないと どうなるか イトゥク兄さんだって わかってるんだろっ!?」
立ち上がって 怒るカンインに イトゥクは 微笑むと
「心配してくれて ありがと。俺は 大丈夫だから…」
そう言うと グラスを持って リビングを出て行った。
残った カンインは 傍にあるクッションを 殴りつけて 悔しそうな顔で 座り込んだ。
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