ありきたりな高2の春

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「ちなみに、春休み入ってからすでに100斬りをシテやったぜ!!」 「お前絶対将来後ろから刺されるぞ?」 ナイフ的な何かで。ドスッと。 いつまでも立っているのもなんだし、俺は駆に挨拶だけし自分の机を探した。 そしてラッキーにも俺は一番後ろの窓側を確保した。 え?なんで出席番号順じゃないのかって? 実はこのクラスの担任になったヤツはかなりの面白さ絶対主義者の先生なんだ。 だからこういう風になったんだと思う。 「よっこらせっと。」 俺は鞄を机の上に投げて椅子に背もたれた。 「……ふぅ…やっぱ平和だな。」 「…………なぁ……。」 ふと独り言を言うと、横から不意に声が聞こえた。 声のした方を見ると、そこには、黒の腰まである長く綺麗な髪、女性にしては長身でスタイルも抜群だ。 そしてなにより、瞳は大きく鼻も綺麗に伸びているその高校生にしては整いすぎたその女の子の顔に、俺はつい見惚れてしまっていた。 「ん?私の顔に何か付いているのか?」 そう言って彼女はペタペタと顔を触った。 「あ、ごめん、そうじゃないんだ。で、なにか用か?」 「ふむ、ちょっと名前を尋ねたかっただけだ。で、名前は?」 「名前?俺は高杉誠だけど。」 俺が名前を言うと、彼女は少し嬉しそうな顔で「ふむ、やっぱりだ。」と何度も頷いていた。
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