ありきたりな高2の春

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「あの…、どうかしました?」 「ん?あぁ、気にするでない。 時に誠、お前は彼女やらはいるのか?」 会って数分初対面のヤツにいきなりそんなこと聞くか?普通。 「そんなのいたこともないよ。」 俺がそう言うと、彼女はいきなりガッツポーズをした。 そして俺にグイッと顔を近づけてきた。 正直かなり焦るんですけど…。 「素直に答えて貰おう。 誠は私を見て、どう感じた?」 は?どゆこと。 「む、わからなかったか? じゃぁ簡潔にいこう。 誠は私を可愛いと思ったか?」 「ハイ!?」 「ハイだけじゃ解らないだろ? さぁ、誠。どう感じたのだ?」 素直に言えってか? 正直あなたの顔に見惚れてましたって言えってか? 無理に決まってんだろ!! 「む、誠。どこに行くのだ。」 クソ、さりげなく逃げようと思ったのに!! 「とりあえず離してください。」 「イヤだ。」 「トイレに行きたいんですけど。」 「なんか逃げようとしてるみたいだからヤダ。」 ちっ、勘の鋭い女め。 こうなったら走って逃げるしかないな。 「む?誠、何故屈伸しているんだ。」 俺は勢いよく教室を飛び抜けた。 だが、この時俺は思いもしなかった。 アイツが隣にいることで、世界が変わる事を。
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