カメ、走る

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えー現在逃走中。 背後には謎の肉食系?少女。 ただいま壮絶なデットヒートな追いかけっこが廊下で繰り広げられております。 で、状況を簡単に説明を致しますと、 「ふははははは!! どうした誠!?貴様の実力はその程度か!?」 彼女との差、およそ0。 平行して走っている。 「なぜどぅぁぁぁぁあ?!!」 くそ!俺は久々の全力疾走で汗だくなのに、この女は汗一つ、息切れ一つしてねぇぞ!? アイツとの違いはなんなんだ! やっぱり機動性なのか!? 「そろそろジョギングにも飽きたな。ほれ、誠。早く本気を出すのだ!!」 ジョギング…だとぅ!? 貴様!まさかあの伝説の悪魔のΖか!? と、ふざけたことを考えていると、いつの間にか廊下の突き当たりに着いてしまった。 「ふむ、追いかけっこも終わりだな。さて、観念して口を割って貰おうか。」 ジリジリと近づいてくる彼女、なんか怖い。 「ちょっと待て! イマイチ状況が読めん!! 第一、なんで初対面なのにいきなりあんなこと聞いたんだ!?」 俺は時間稼ぎのために、とりあえず聞いてみた。 チャイムが鳴るまであと20秒…、19、 「ん?なにを?言っておるのだ、誠?誠と私は初対面なんかではないぞ?」 15…、1よ、てあれ? 「は?初対面じゃない?」 「うむ、誠よ、覚えてはおらぬのか?」 はて?俺はコイツに会ったことがあるのか? 少なからずこんなに綺麗な女の子は印象に残るのだが……。
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