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今思うと僕―小牧純の少年時代はつくづく幸せだったんだと感じる。
友達もたくさんいたし、大好きな幼なじみの早川美希と毎日のように遊んでいた。
でも、中学に入った年に美希が病気になり、そして死んでしまってからは幸せというものが何だか分からなくなってしまった。
彼女が死んだ年、父親がリストラに遭い、両親は離婚。
僕は母親と共に住んでいた仙台を離れて東京の北区へと移り住んだ。
母親は朝早くから夜遅くまで働きに出ていた。
そのため2人が顔を合わせる時間はめっきり減り、たまに顔を合わせれば仕事のことで八つ当たりされるようになった。
はじめのうちは僕が食べていけるのは母が働いているから、と我慢していたが、中学を卒業して高校に進学してからは状況が変わった。
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