三日月

2/10
1663人が本棚に入れています
本棚に追加
/519ページ
「お前なんか産まなければ良かった!」 「産んでくれとか頼んでねーよクソババァ!」 ふいに母親から投げられた言葉を真に受けた娘は、家を飛び出した。 人並みに反抗期を迎え、親を睨み、うんざりしていた13歳のアタシは、二度と戻らないとばかりに走る。 親なんか捨ててやんよ……。 さらば自分ん家、上等だ、アタシはひとりで生きてやる。 息を切らし公園にたどり着く。 月明かりだけの公園で時間を潰し、退屈そうに親からくすねた煙を揺らす。
/519ページ

最初のコメントを投稿しよう!