三日月

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窓から三日月は見えなかった。 帰りたくない、余計なことしやがって、お前らにはわかんねーよ。 別れを告げたはずの2階建ての家が無情に近づいてくる。 13歳なりに苦しんでいた。自分はいらない子どもなんだ、ガキにだってわかるんだよ。 大人は汚い、ズルい。アタシはあんな親にはならない、子どもはいらない。 13歳の自分の記憶。 その時――
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