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「佐藤…俺にこうゆうことされるの、嫌?」
「は…?」
様子がおかしい。
俯きながら発せられる言葉は普段の音より低くて、這うようにして背筋を駆け登ってくる。
「意味、分かんねーよ」
ごくりと唾を飲み込み、自然と身構える。
「…例えば、」
「っ!?」
あらかじめ緩めてあったベルトを完全に外し、その下にあるズボンのファスナーを勢いよく下げられた。
「やめろ!」
「こうゆうことだよ」
下着を押し退けて、収まっているものを容赦なく素手で引っ張りだされた。
「は、いい加減にしろよっ」
やめさせようと必死に抵抗するが、虚しい結果に終わってしまった。
それどころか、そんな力がどこにあるんだってくらいの強さでベッドに捩じ伏せられてしまう。
その間にも自身は掴まれたままで、どちらかが身動きするたび、わずかに刺激されてとても辛い。
「…でも、気持ちいいでしょ?」
「…くっ」
反論できない。
気持ちいいことにかわりはないのだから。実際に誠のものは、反応を示してしまっている。
だが…、
「……んなわけ、ねぇだろ」
額には汗が滲んでいたが、誠は余裕そうに口角を吊り上げてわざと傲慢に笑ってみせた。
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